起きたら五時

夕方のね。

なんてこった、と落ち込みそうになったが、

いつものことであるのに気がついたのでセーフだった。


・・・と思ったが、いつもそうであることもやはり気落ちする要因には

違いないので、やはり落ち込んだ。


そういえば今日の「坂の上の雲」、は、203高地攻略戦だった。

乃木さんがあまりにボンクラなので児玉さんが出張ってきてなんとかする、

という、今やお決まりのこの展開は、たぶん司馬先生のでっち上げなので、

僕はあんまり好きじゃない。まあこの方が盛り上がるだろうけど。

映画「二〇三高地」のイメージも強いしなあ。

いやあれもいい映画だと思うけど。


戦車と飛行機がまだなく、しかし機関銃なんていう超効率のいい殺人兵器だけは

開発されてしまっていた当時、しかも満足な重砲支援に足る弾薬も無いあの状況で、

近代的な設計の要塞を攻略するというのは、ちょっと無理ゲーなオーダーだ。

ボーダーブレイクで言うところの、防衛有利が過ぎる。(ボーダーブレイクで言うな)

というか、指揮官が取れる作戦が「歩兵の正面突撃」しかない。


しかも、攻撃目標指示が支社(満州軍→旅順要塞)と本社(大本営→203高地)で違う、

敵兵力の評価の見積もりが低くて連日成果を急かされる、実家にはパンピーにまで石を投げられる、

そんななかで、戦線から3キロしか離れてない極寒の司令部

(しかもすげえ遠いところで指揮取ってるとか日本本土にいる人に言われる)

で、自分の息子も参加している指揮下の第3軍を、唯一取れる戦法である

正面突撃に投入し続け(息子は死んだ)、とうとう多大な犠牲と引き換えに

203高地を落とし、旅順港内のロシア艦隊を壊滅させ、その一ヵ月後に旅順要塞を陥落させた、

この日露戦争でも珠玉の戦果をあげた乃木大将は、紛れも無い名将だと思う。

難攻不落、永久堡塁とさえ言われた強力な陣地を備える旅順要塞と、

その前面の203高地を打ち砕いたのは、

徹底した正攻法を終始曲げなかった乃木希典という軍人の精神力と、

その指揮と人格を信望して、奈落のような堀とその先のコンクリートの絶壁を目掛けて、

幾重にも鉄条網を張られた凍える土の斜面を、機関銃弾と榴弾の雨のなかを身一つで駆け上がっていった、

無数の兵士達の命による。

言わばそれは、第3軍が4ヶ月をかけて愚直に打ち込み続けた、無数のボディーブローの積み重ねの末の、

ノックアウトだ。

それを「知将・児玉源太郎の機転の結果」で片付けることが、如何に第3軍兵士とその指揮官に対して

非礼であるのかは、「坂の上の雲」を見てもわからない。

まあ、なにを言っても「坂の上の雲」をドラマ化してる時点で仕方ないんだけど。


いや、ドラマ自体は好きですよ。

でも、歴史の改変はやっぱりよくないと思う。



ちなみに乃木将軍と第三軍は、要塞攻略で擦り減ったその兵力でもってその後の奉天会戦にも参加、

全軍を二手に分けて攻め込んだ日本軍の左翼・先鋒として果敢な進撃を続け、

遂には奉天からロシア軍を撤退させるに至る。


日本海海戦によってバルチック艦隊が壊滅、アメリカ合衆国大統領セオドア・ルーズベルトの

仲介で日露両国が和平交渉に入るのは、それからおよそ3ヶ月後のことだ。




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